[(土地活用)アパートマンション経営]

家賃設定は適正ですか?

サブリースか、または管理委託か自主管理か。。これらどの管理方式においても適正な家賃を設定することは重要です。
家賃は、入居者が感じる価値に見合う対価であると考えるべきなので、見合った価値の物件でないのにそれ以上の価格の家賃を設定してしまうと入居者はなかなか決まらなくなります。逆に、価値のある案件を提供しているけど家賃設定が低い場合、損をしてしまいます。家賃はその物件の価値に対して見合ったものにするのが基本です。

家賃は、
①立地
②間取り
③築年数
④需給関係(季節変動)

の4条件で基本的に決まります。この条件が合わさって家賃の相場が形成されています。③の築年数は、その年代に対応した設備等の違いも含めています。

家賃を設定する場合、この4つの情報から得た特に周辺の家賃相場と比較しながら基本的な家賃を決めます。この際、家賃設定は礼金等の一時金の有り無しによって増減されますが、ここでは基本的な家賃設定の方向性を説明します。

賃貸条件の種類と決め方

入居者が沈滞する部屋を決める際、決定に必須になるのが「家賃」です。築年数、広さ、立地場所などが同じ物件なら、家賃設定や契約条件によるバランスを考え、どの物件にするか考えています。
しかし、家賃設定と契約条件のバランス内容によっては、家賃が高い方に決定することもあります。家賃の高低ではなく、契約条件とのバランスを考慮して募集条件を設定することが重要です。

よく「賃貸が得か?持ち家が得か?」と言う考えも多いですが、賃貸は生活スタイルの変化に合わせて住み替えしやすいというメリットがあります。しかし、敷金・礼金などの入居一時金を増やすと、このメリットが発揮できません。確かに、一時金が支払えない入居者は家賃滞納するのではないかと考えがちです。しかし、その滞納リスクを滞納保証制度へ加入することによって回避できる選択もあります。
募集条件の設定にあたっては、住み替えしやすい条件かどうか注目しながら検討していきましょう。

家賃

部屋の家賃設定をします。駐車場がある物件の場合、基本的に別途賃料がかか理ますが、地方などでは建物の家賃に含めている場合もあります。水道光熱費は入居者が負担するのが基本です。
しかし近年、このような貸方ではなく、水道光熱費、インターネット、家具レンタルなども家賃に含め「借りやすく、住み替えしやすい」家賃設定にする貸方も増えています。もちろん、この貸方では基準より少し高めの家賃設定にするなどのプラス要素が必要です。

共益費(管理費)

共益費は、廊下、水道光熱費、清掃費、階段、エレベータ点検などの共用部分となる日常の維持管理に必要な費用として充てられます。この設定は、およその金額で設定されるのが基本的ですが、本来は実費相当の額をベースに算出されるべきです。入居者は共用部分を利用しないと入居できないので、本来は家賃に含めるべきという考え方もあることは理解しておくべきです。基本的に入居者も、家賃は賃料+共益費である、と認識しています。
共益費使途にはチェック機能もないので「共益費は高め、家賃は安く」にしてぱっと見のお得感をアピールしする大家さんもいますが、共益費の本来の意味は前述通りであることは認識しておきましょう。

敷金

敷金は、家賃や退去時の原状回復支払いができない場合対策として先に預かっておく金銭になります。敷金は入居者がしっかり家賃を支払い、退去の際に入居者負担の原状回復費が必要ないな場合、全額返還されます。
近年、原状回復費用負担のルールが厳格化され通常使用する範囲内では入居者負担にすることができないので、退去してから次の入居者募集をする際の部屋の修繕費はオーナー負担になります。このことから、敷金を預からない方法も多くなってきました。敷金を預からなければ退去の際にトラブルが起こることはありません。反面、家賃滞納のリスクを担保することはできません。この場合は家賃滞納保証加入を入居する条件として対応します。
また、契約時に先に退去する際に償却される敷金の額を決めておく「敷引き」という制度を取り入れている地域もあります。

礼金

入居者に返金しない金銭のことをいい、契約時にやり取りされる一時金のことです。

保証金・権利金

契約時に支払われる一時金で敷金代わりに受け取る預かり金です。敷金と同様の意味になります。
しかし、保証金などは契約内容によって入居者に変換されない場合や、全部または一部を返還する場合があります。例えば上記「敷引き」と同じように、退去の際に返却しない金額を先に決めておくのが基本です。大阪あたりでは保証金方式による契約が多いです。また、事務所・店舗の契約は、敷金でなく保証金による契約が多いです(敷金での事務所契約がないわけではありません)。

鍵の交換費用

入居者が入れ替わる際に、前の入居者と後の入居者の鍵が同じままでは、合鍵を使って侵入される可能性があるので入れ替わりの際は必ず鍵の交換をします。
費用負担は、大家さんなのか入居者が負担するかは、各々の考え方があります。現状入居者負担にするケースが多いですが、国土交通省原状回復ガイドラインでは大家さんの負担を妥当としています。

損害保険料

入居者の、下階に損害を与えた場合の水漏れ事故や失火補償として、入居者には借家人賠償保険の加入を契約条件とします。費用は2年間で約1万〜2万円程度ですが、募集条件として事前に提示しておきます。

連帯保証人

主に入居者が家賃を滞納した場合、代わって家賃を支払いする人のことです。
「連帯保証人不要」とした方が住み替えがしやすく入居者は決まりやすいです。しかし、連帯保証人に代わり、滞納保証等で家賃不払いリスクが担保できない際は、連帯保証人をつけることを条件に契約します。

連帯保証会社

連帯保証人の代わりとなって、滞納家賃立替・未払いが続きの場合の部屋退去、夜逃げ時の荷物処分を行ってくれるのが連帯保証会社です。「連帯保証人不要」にする代わりに滞納保証へ加入募集条件になることが多いです。
基本的に保証料は入居者負担となり、①月額家賃の約20〜60%、②(毎年)1万円、③(毎月)家賃の1〜2%等、保証内容や保証会社によって様々です。また、どのような人でも保証を受けてくれるわけではありません。各会社の独自審査基準で可否を判断します。これに加え、大家さんと直接に取引きする保証会社はほぼないため、募集依頼先不動産業者や管理業者がどんな保証会社の代理店になっているかを確認する必要があります。
滞納保証は大きく分けると2つの保証方式があります。1つ目は募集代行と合わせて保証する集金代行方式で、2つめは滞納した場合のみ家賃保証を請求する代位弁済方式です。

集金代行方式/メリット・デメリット

集金代行方式は、毎月保証会社が入居者の銀行口座等から口座振替を行い家賃を一括払いする方式で、もし借換ができなくても一定営業日後、毎月確実に保証会社から支払われるので、未納なく確実に家賃を送金できます。このことより、滞納があった場合の通知の必要もなくなり手間が省けるのが特徴です。その反面、家賃が①保証会社 ②管理業者 ③大家さんと送金されるため、その間保証会社や管理業者が倒産などした場合リスクがあります。このケースでは入居者は保証会社に家賃を支払っているので、大家さんは直接家賃を入居者に請求できません。このことから集金代行方式は、1ヶ月分の家賃損失のリスクがある可能性があることを理解しておきましょう。保証会社は信用力のある会社なのかはしっかり調査しましょう。

代位弁済方式/メリット・デメリット

代位弁済方式は、家賃が未払いの場合、一定期間中に保証会社に家賃の滞納報告を行うとその滞納分を支払ってくれる方式です。保証会社が倒産した際、リスクは集金代行方式ほどでなく滞納した家賃にのみに限られます。(入金チェックと滞納の報告の手間はかかります)さらに、保証会社の手間が集金代行方式に比べて少ないので滞納保証料は比較的割安になります。

退去の時かかるクリーニング代

退去時にかかるクリーニング代は、契約の際に先に取り決めをしておくべきです。古い物件などで入居時からあった経年劣化の修繕費は費用にできません。しかし退去時かかるクリーニング代は特約が契約時にあればしっかり請求できます。ただし、自身で清掃したと言いクリーニング代の支払いに応じない人もいます。このようなトラブルを回避するためにも、契約時、クリーニング代を先に支払ってもらう方法が安心です。間取りでワンルーム・1Kなら3万5千円、2DKなら4万円・3DK以上は5万円ほどを目安として周辺地域の相場も考慮して決めてくといいでしょう。

上記募集条件の設定は入居を検討する時の決定に大きく関わります。あとで条件提示を加えトラブルにならないためにも、これら条件は、募集チラシに先に掲載して募集することが大事です。